日本衛生学会少子化対策ワーキンググループ

 2018年12月19日

 

 わが国は世界に類のないスピードで高齢化が進むとともに出生率の低迷が続き人口減少が始まった。このような“超少子高齢化社会”に直面し、日本衛生学会では学術的立場から少子化問題の打開策を探るため、次に示した研究課題を奨励・推進し、今後、その成果を積極的に社会還元する。

 

 ・少子化の要因とその対策のための社会環境整備に関する研究
 ・セクシュアル・ヘルスとリプロダクティブ・ヘルス・ライツに関わる研究
 ・Developmental Origins of Health and Disease (DOHaD)仮説と先制医療の観点から、

      胎児期・乳幼児期の環境(栄養状況等)と発育・発達に関する研究
 ・働く男女の労働衛生・安全面とワークライフバランスなど働き方に関する研究
 ・環境化学物質による人類の生殖能力や発育・発達と次世代の影響に関する研究
 ・現代の社会環境および家族の葛藤と広く育児支援に関わる研究

 

 なお、本とりまとめの経緯の中で、日本衛生学会が1952年に学術総会の「人口調節シンポジウム」での決議で、当時の厚生省に「優生思想」を背景とする建議を表明したことが判明した。日本衛生学会としては改めて、本建議を取り消し、優生思想を排除することを宣言する。

 

一般社団法人日本衛生学会

理事長 大槻 剛巳

 

附記:本とりまとめの詳細は、2019年1月に日本衛生学雑誌に掲載されJ-STAGEで公開される。